この記事は、高校で陸上部に所属しており、短距離専門の方に向けた記事です。スクワットの重要性とスクワット+αでさらに速くなる方法について説明できればと思います。
その他の競技ではこの考え方を流用できない場合がありますので、理解した上でご判断ください。
私としては、今までの陸上人生の中で培ってきた非常に価値のある話ですので、誰でも見れるところに公開してしまうのは惜しいですが、こんな無名なページにたどり着いていただいた方にはぜひともこのお話を活かして欲しいです。
スクワットには2種類の方法が存在する
みなさんはスクワットをする時に何を意識していますか?実はスクワットには2つの方法が存在します。
方法という言葉が正しいのか分からないのですが、2つの方法があり、それぞれ目的が異なります。
①筋力をつける
1つ目は「筋力をつける」です。
一般的に、スクワットをする方は「太ももの筋肉をつけたい!」「脚力が欲しい!」と思ってスクワットをします。ですので、10回×3セットをこなせるくらいの重さでスクワットをします。フルスクワットでもいいですし、ハーフスクワットでもいいと思います。
②重さに慣れる
もう1つは「重さに慣れる」です。
そもそも、「重さに慣れるってなに?」「普通にスクワットするのとなにが違うの?」と思われる方がほとんどかと思います。重さに慣れるというのは、自重をはるかに超える重さのおもりを体感することで、それが無くなった時に体が軽いと感じる現象を利用するのです。こちらはフルスクワットではなく、ハーフスクワットやクォータースクワット、最終的には、持ち上げるだけでも構いません。
方法について、私が高校の時の話をします。
100キロから始めて、10キロずつ重くしていきます。150キロくらいまでは各10回。さらに10キロずつ重くしていきます。回数は身体と相談しながらです。そのまま210キロくらいまで持ち上げます。210キロは持ち上げるだけです。下げたらつぶれます。(^_^)
※スクワットをする時には、どんなに軽い場合でも、安全バーは適切な位置に固定しましょう!
そして重要なのがこの後です。
スクワット+αでさらに速くなる
引き続き「重さに慣れる」の説明がです。
先ほど、「体が軽いと感じる現象を利用する」と言いました。ですので、スクワットをしたら、平地でも坂道でもいいので、すぐに走ります。そうすることで、通常では感じることのできない、「限界を超えた走り」をすることができるのです。この、限界を超えた走りを身体に覚え込ませることが、短距離走においては超重要なのです。
※ただし、トレーニングルームのそばに走れる環境があることが前提です。
こんなスクワットをしている人はほとんどいないです。なぜなら、これは短距離走に特化した練習方法だからです。また、これを知っている人もほとんどいないと思います。インハイに出ている選手の中でも、半分も知らないと思います。
ちなみに、短距離走においては、このどちらも必要不可欠なトレーニングです。ただし、冬季練の序盤は①を中心に、冬季練の終盤は②を中心にトレーニングをしましょう。②はどちらかというと瞬発力(神経)を鍛えるトレーニングですので、これをやるのはシーズンに入る手前くらいです。
スクワットの重要性
短距離走においてスクワットは非常に重要なトレーニングです。短距離の主にどこでスクワットが活きてくるかというと、それはスタートです。厳密には、加速段階です。
私の偏見かもしれませんが、100mはスタートからゴールまで、加速し続けていると思っています。私の場合はむしろトップスピードに乗る前にゴールしてしまいます…。
つまりは、加速するために必要な筋力をつけることが、短距離を速く走るための重要なポイントなのです。そして、それを鍛(きた)えるためのトレーニングが、スクワットなのです。
加速するために必要なトレーニング ⇒ スクワット
と説明しましたが、スクワットをするとなぜ加速によいのかをまだ説明していませんね。
イラストを用いて分かりやすく説明していきます。
スクワットと加速の関係
そもそも、なぜ足を上げて下ろしているだけなのに前に進むのか理解していますでしょうか?物理で言うところの、「作用反作用の法則」で前に進んでいるのです。後方に蹴ることで、身体が前に進みます。
図をご覧ください。
作用反作用の法則がありますので、後方に強い力で蹴れば蹴るほど、前に進む力が大きくなります。そして、その後方に蹴る力を鍛えるのがスクワットなのです。
「蹴る」と書いていますが、「蹴る」という表現は正しくないです。分かりやすく説明するために、「蹴る」と書いています。
正確には、蹴るというよりも、「押す」です。
スクワットのやりすぎには要注意
スクワットをする姿勢が良くなかったり、ムリなトレーニングを続けると、腰を痛めます。
私の高校では、スクワットで220キロくらいまで持ち上げていました。そりゃあ、スクワットをする姿勢がしっかりできていないと、腰を痛めます。腰椎分離症だったり腰椎すべり症だったり…。そして、腰のケガを直すのは非常に時間がかかるので、シーズンインまでに治ればいい方です。ただし、冬季練で最後まで追い込めていないので、大幅な走力UPは見込めません。最悪なのは、シーズンに入っても治らずに、そのまま引退までいってしまうパターンです。せっかく今まで頑張ってきたのに、最後の夏に走れずに終わるのは、悔やんでも悔やみきれません。
ですので、この記事を読んでいるみなさんはぜひとも1つ1つのトレーニングを気を抜かずに真剣に取り組んでください。そして、違和感があればすぐに医者や整骨院等に行って、すぐに復帰できるように努めてください。
あとがき
いかがでしたでしょうか。
短距離走のトレーニングをしている方にしか当てはまらないかと思いますので、それ以外の方はごめんなさい。
みなさんが活躍する日を楽しみにしています。そして、「この記事を読んだおかげでいい結果が出せたよ」という方は、ぜひコメントやお問い合わせフォームから連絡いただけると嬉しいです。
他にも陸上競技の短距離走に特化した記事を書いていきますので、ぜひ見ていっていただけると嬉しいです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。