みなさんは「炭酸風呂」「炭酸泉」というものをご存知でしょうか。ここ最近スキンケアなどでも流行っているいる炭酸ですが、「本当に効果あるの?」と思う方も多いかと思います。
そこで今回は、炭酸泉ってなに?どんな効能があるの?といったことについて紹介できればと思います。
- 炭酸泉ってなに?
- [補足] ppmとは?
- 実際の温泉はどのくらいの濃度?
- 炭酸泉の効能
- 効果的な入浴方法は?
- 近年では家でも炭酸泉を楽しめる!?
- 炭酸泉に入る時の注意点
- その他の炭酸を利用した商品紹介
- おすすめの炭酸泉に入れるスポット
- あとがき
炭酸泉ってなに?
「炭酸泉(たんさんせん)」とは、お湯の中に炭酸ガス(二酸化炭素CO2)が溶け込んでいるお風呂のことです。 別名「ラムネのお風呂」とも言われています。
炭酸泉には、「天然の炭酸泉(二酸化炭素泉)」と、人工的にお湯に炭酸ガスを溶け込ませた「人口の炭酸泉」の2種類あります。
日本には、温泉法と呼ばれる法律があり、その温泉法では、1リットルのお湯に対し、炭酸ガスが0.25g以上(250ppm)溶け込んだものを「炭酸泉」と定めています。
炭酸泉には、血流の改善をもたらす効果があると考えられており、ヨーロッパでは古来より「心臓の湯」とも称され、循環系の治療・療養手法としても注目されています。
[補足] ppmとは?
ppmとはParts per millionの略で、つまりは1/100万を意味します。別名「百万分率」とも言います。パーセントに置き換えて考えると、100万ppm=100%ということです。
分かりやすいよう表にしてみました。
ppm | % |
---|---|
1,000,000 ppm | 100 % |
100,000 ppm | 10 % |
10,000 ppm | 1 % |
1,000 ppm | 0.1 % |
100 ppm | 0.01 % |
温泉法では、炭酸ガスが0.25g以上(250ppm)溶け込んだものを「炭酸泉」と定めていますので、温泉の中に炭酸ガスが0.025%含まれているということになります。
実際の温泉はどのくらいの濃度?
炭酸泉の濃度は、日本の炭酸泉として有名な大分県の長湯温泉で700ppmほどです。日本のスーパー銭湯などで用いられている人口の炭酸泉では、1000ppm前後となっています。※1000ppm以上の炭酸泉を高濃度炭酸泉と言います。
濃度が高いほうがより効果が期待できると言われていますので、濃度の高い温泉を探して、入ってみてはいかがでしょうか。
炭酸泉の効能
炭酸泉には、以下のような効能があります。
血行促進
炭酸泉は、体に付着し体内に浸透した炭酸ガスに血管を拡張する効果があります。その原理としては、体内に二酸化炭素が浸透すると、身体は「酸素が足りない!」と感じて、酸素をより隅々まで行きわたらせようとするのです。このようにして血管が拡張されます。
そのため心臓病・糖尿病・高血圧・心筋梗塞・血栓・冷え性などの予防・改善への効果が期待されています。
また、少し話が脱線してしまいますが、スポーツ選手にとって、血管が拡張されることは非常に良いことなのです。こちらで詳しくまとめていますので、気になる方はぜひご覧ください。
美肌効果
炭酸泉は、人肌と同じPH4.5~5の弱酸性のお湯です。お肌を引き締める化粧水風呂として炭酸泉は美容・肌荒れ予防にも効果が期待できます。
また、アトピー性皮膚炎やアレルギーに効果がある、というデータもあるようです。今後、アトピーやアレルギーを改善するために、炭酸泉がより活用されるようになるかもしれません。
疲労回復
血行促進のところでもご説明した通り、皮膚から浸透した炭酸ガスは、血管を広げて血流を良くしてくれます。血行が良くなることで代謝が上がり、結果的に疲れも抜けやすくなるのです。また、炭酸が自律神経に効果的に働きかけることで、副交感神経優位の休息モードに体を導いてくれます。
美髪効果
炭酸泉は、血流を改善する効果が期待できるので、髪の毛に必要な栄養をしっかり送り届けられるようになります。また、必要な栄養をスムーズに送れるようになるため、抜け毛や薄毛などの対策にもなるのです!
「最近、髪の毛が薄くなってきた…(;_;)」という方はぜひ炭酸泉にたくさん入ってください。
もう少し読み進めていただくとおすすめの炭酸の化粧を紹介しています。そちらも美容や育毛に役立ちますので、ぜひご覧ください!
効果的な入浴方法は?
炭酸泉は、15分から30分ほどを目安にじっくりと入浴するのがおすすめです。
炭酸は温度が高いほど気化しやすい性質を持っているため、炭酸濃度を維持できるよう、炭酸泉の浴槽の温度は比較的低めに設定されています。炭酸泉に入浴すると、肌に細かな泡が付着し、まるでラムネやシャンパンの中に入っているように感じられます。この泡をはらって落としたりせず、静かに入浴しましょう。体調がすぐれない場合などは無理せずにお風呂から上がりましょう。
また、スーパー銭湯のような複数のお風呂がある温泉では、最後に炭酸泉に入るのが効果的とも言われています。
近年では家でも炭酸泉を楽しめる!?
現在では、医療機関だけでなく、介護施設や温浴施設、エステティックサロン、フィットネスクラブなどで人工炭酸泉が導入され、病気治療だけでなく、美容や健康目的として利用されています。また、近年では各家庭でも利用できる人工炭酸泉装置が登場し、誰でもより身近に炭酸泉を利用することができるようになりました。
入浴剤タイプと、炭酸泉を作る装置の2種類あります。入浴剤タイプであれば気軽に体験できるので、ぜひ一度ためしてみてはいかがでしょうか。
※炭酸を発生する装置には炭酸ボンベ等の付属品が必要になりますので、購入の際はご注意ください。
炭酸泉に入る時の注意点
炭酸風呂では、炭酸の泡が出てくる噴出口が浴槽内にあります。そのため、この上に座ることは浴場によってはマナー違反となる場合がありますので注意しましょう。また、一般的なマナーにもなりますが、浴槽内に入る際や出る際は、大きな波やしぶきをたてたりせずにゆっくりと移動しましょう。
その他の炭酸を利用した商品紹介
先ほどもご説明した通り、炭酸にはお肌を引き締める効果や、血流を良くする効果がありますので、美容関係の商品に多く活用されています。その一部を紹介しますので、「お肌を引き締めたい!」「最近抜け毛が、、、」といった方はぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
炭酸を利用したスキンケア商品は刺激的なものが多いため、脱毛サロンなどで脱毛した直後のお肌には使用しないようにしてください。1週間ほどは期間を開けましょう。
こちらのエキスパートローションですが、なんと炭酸の濃度が10,000ppmです!上で濃度についてお話しましたが、炭酸泉として有名な大分県の長湯温泉でも700ppmほどなのに、このエキスパートローションはその10倍以上の濃度なのです。私自身このエキスパートローションを使用したことがありますが、とってもシュワシュワ&サッパリしていて気持ちいいので、金額は高めですが、ぜひ1度利用してみて欲しいです。
ちなみに、下の商品は15,000ppmですが、スプレータイプのため拡散してしまい、15,000ppmのまま肌に届くわけではないのです。それに対しエキスパートローションはジェルタイプなので、炭酸がジェルに包まれたまま肌まで届きます。
私はエキスパートローション推しですが、いずれも高濃度炭酸ですので、ジェルタイプがいいか、スプレータイプがいいか、お好みで選びましょう。
こちらの商品は、泡タイプです。炭酸の濃度はさほど高くはないものの、メタケイ酸という保湿効果の高い成分が多く含まれており、ぜひおすすめしたい商品の1つです。
おすすめの炭酸泉に入れるスポット
全国各地の炭酸泉のある温泉スポットを紹介します。旅行プランの参考にしてみてはいかがでしょうか。
※情報は2022年11月時点のものです。実際に訪問する場合は最新情報を確認してください。
竜泉寺の湯 八王子みなみ野店(東京都八王子市)
炭酸泉の濃度は、1,000~ppmです。
室内と露天の2つの炭酸泉がありおすすめです!
SPA EAS(神奈川県横浜市)
炭酸泉の濃度は、900~1,000ppmです。
湘南RESORT SPA 竜泉寺の湯 湘南茅ヶ崎店(神奈川県茅ケ崎市)
炭酸泉の濃度は、1,000~ppmです。
市原温泉 湯楽の里(千葉県市原市)
炭酸泉の濃度は、1,000ppmです。
宮沢湖温泉 喜楽里別邸(埼玉県飯能市)
炭酸泉の濃度は、1,000ppmです。
おふろcafé ハレニワの湯(埼玉県熊谷市)
炭酸泉の濃度は、1,000~ppmです。
あとがき
いかがでしたでしょうか。なかなか耳にすることの無い「炭酸泉」ですが、意外とたくさんの効能があることをご理解していただけましたでしょうか。
美容や健康、育毛にも役立ちますので、ぜひ温泉の魅力を見つめ直す機会にしていただければ幸いです。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。