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ガソリン価格の内訳をわかりやすく説明!

2024年3月現在。ガソリン価格が高止まりしている状況です。理由の1つとして、円安が続いていることにより原油価格の高止まりが起きていることが考えられます。

ガソリン価格の補助金については現時点で2024年4月末までの適用が確定しておりますが、5月以降についても継続するよう検討しているとのことです。続報に期待ですね。

円安など輸入の関係で原価が上がることによるガソリン価格アップはまだ納得できるのですが、そもそも、ガソリン価格は二重課税だとか言われていますよね。

そこで今回は、ガソリン価格の内訳がどうなっているのか、わかりやすく説明します。

 

ガソリン価格の推移

まずは、過去のガソリン価格の推移を見てみましょう。近年、急激にガソリン価格が上昇していますが、2008年/2009年頃にも同じように上昇していますね。

データの期間:2004/4/5~2024/3/4
参考:石油製品価格調査|経済産業省 資源エネルギー庁

 

ガソリン価格の内訳

まずはじめに、レギュラーガソリン1L当たり176円とした場合の内訳を見てみましょう。
176円の内の約40%が税金ということが分かりますね

  レギュラー
ガソリン価格 176円
ガソリン単価 103.4円 59%
揮発油税 24.3円 14%
揮発油税(上乗せ) 24.3円 14%
地方揮発油税 4.4円 3%
地方揮発油税(上乗せ) 0.8円 0%
石油石炭税 2.04円 1%
地球温暖化対策税 0.76円 0%
消費税(10%) 16円 9%

 

ちなみにですが、ガソリンが安くなればなるほど、税金の割合は増えてきます。これは、税金には「従価税」と「従量税」の2種類があるためです。

従価税とは、例えば消費税のような、商品の金額によって○○%と計算して決まる税金です。
従量税とは、例えば今回のガソリン税のように、ガソリンの重さによって○○円と決まっている税金です。
ガソリン1Lという量は変わりませんので、ガソリン単価が上がろうが下がろうが、ガソリン税の税額は一定なのです。


さて、本題に入りたいと思います。
ガソリン税とは何か?上乗せとは何か?それぞれ説明していきます。

 

ガソリン税暫定税率

ガソリン税」と言っていますが、実は、「揮発油税」と「地方揮発油税」の2つの総称です。ガソリン1つにいくつ税金があるんだ!って感じですね…。

では、ガソリン税の税率はいくつなのでしょうか?単刀直入に言うと、ガソリン1L当たり53.8円です。消費税のような○○%ではなく、一律53.8円/Lなのです。

詳しくは、下で説明している「揮発油税」と「地方揮発油税」を見てみましょう。

 

暫定税率

暫定税率とは、文字通り、暫定的に設けられた税です。

実は、法律上のガソリン税は、53.8円/Lではないのです!

法律上は28.7円/Lで、暫定税率として1974年から25.1円/L上乗せされ、合計で53.8円/Lとなっているのです。つまり、本来のガソリン税は28.7円/Lで、1974年からは約2倍の53.8円/Lを払っているということです。

なぜ暫定税率で倍の金額を払っているのでしょうか?
暫定税率が導入された理由は、急務である道路整備にかかる財源確保のためです。この少しの期間だけ上乗せされるはずが、現在もなお上乗せされ続けているというわけです。

 

揮発油税

主に、自動車の燃料に用いられるガソリンにかかる税金です。揮発油税国税に当たり、国の一般財源となります。

揮発油税法上の税率は、1KL当たり24,300円ですが、暫定税率として1974年から、2倍の48,600円/KLとなっています。つまり、ガソリン1L当たり48.6円です

 

参考:揮発油税法 第九条|e-Gov法令検索

参考:租税特別措置法 第八十八条の八|e-Gov法令検索

 

地方揮発油税

揮発油税と同様に、自動車の燃料に用いられるガソリンにかかる税金です。地方揮発油税国税ではありますが、すべて地方の一般財源となります。

地方揮発油税法上の税率は、1KL当たり4,400円ですが、暫定税率として1974年から、5,200円/KLとなっています。つまり、ガソリン1L当たり5.2円です

 

参考:地方揮発油税法 第四条|e-Gov法令検索

参考:租税特別措置法 第八十八条の八|e-Gov法令検索

 

ただし、軽油・灯油については、揮発油税地方揮発油税の課税対象ではあるのですが、例外的に免除されています。

参考:揮発油税法 第十六条の二|e-Gov法令検索

 

トリガー条項

少し前に、「トリガー条項」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

トリガー条項とは、レギュラーガソリンの全国平均価格が3ヶ月連続で160円/Lを超えた場合、ガソリン税暫定税率分の25.1円/Lの適用を停止し、3ヶ月連続で130円/Lを下回った場合に暫定税率を復活するというものです。(租税特別措置法第89条)

なぜこのような条項が設けられたかというと、2009年の衆院選にて民主党ガソリン税暫定税率廃止を掲げて圧勝したのですが、温暖化対策や国債発行制限等で財源確保が厳しくなり、暫定税率廃止までは実行できなかったので、このような一時的に停止させる条項を設けたのです。

この条項が、2010年3月31日に適用されましたが、2011年4月18日に、東日本大震災の復興財源確保を理由に、無期限でトリガー条項を停止されました。それ以降トリガー条項の凍結は解けていませんので、ガソリン価格が高騰している現在も、トリガー条項は発動されておりません…。無期限で停止されてしまったので、どなたかが立ち上がって国会で可決されるまでは、トリガー条項が発動されることはまずないでしょう。

 

出典:揮発油価格高騰時における揮発油税及び地方揮発油税の特例税率の適用停止等について|国税庁

 

軽油取引税

レギュラーガソリン、ハイオクガソリンについては、揮発油税が課せられていますが、軽油については、揮発油税ではなく、軽油取引税が課せられています。つまりは、ガソリン税軽油取引税に置き換わる形です。

軽油取引税の税率は地方税法に記載されていまして、地方税法上の税率は、1KL当たり15,000円ですが、暫定税率として、32,100円/KLとなっています。つまり、軽油1L当たり32.1円です

 

参考:地方税法 第百四十四条の十|e-Gov法令検索

参考:地方税法 附則 第十二条の二の八|e-Gov法令検索

 

石油石炭税・地球温暖化対策税

石油石炭税とは、国内で採取される「原油」「ガス状炭化水素」「石炭」、輸入した「原油」「石油製品」「ガス状炭化水素」「石炭」に対して課税される税金で、ハイオク、レギュラー、軽油、灯油のすべてに課されます。

支払った石油石炭税は、エネルギー需給構造高度化対策の財源となります。

石油石炭税法上の税率は、1KL当たり2,040円ですが、地球温暖化対策税として、2012年10月1日から760円/KL上乗せされ、1KL当たり2,800円となっています。つまり、ガソリン1L当たり2.8円です

地球温暖化対策税とはいったい何なのでしょう?

地球温暖化対策税とは、石油石炭税に上乗せされる形で導入され、一般的には「石油石炭税」と「地球温暖化対策税」を合わせて「石油石炭税」と呼ばれることが多いです。「地球温暖化対策税」は「環境税」ともよばれ、地球温暖化の要因の1つである二酸化炭素の排出を抑制する目的で導入されました。

 

参考:石油石炭税法 第九条 一|e-Gov法令検索

参考:租税特別措置法 第九十条の三の二 一|e-Gov法令検索

 

消費税

消費税は、皆さんもご存じの、商品やサービスに対して上乗せされる税金のことです。

1989年4月1日より3%でスタートし、1997年4月1日に5%へ、2014年4月1日に8%へ、2019年10月1日に10%へと上がっていきました。2023年9月現在は、消費税10%ですね。一部異なりますが…。

では、ガソリンのどの部分に消費税が乗ってくるのでしょうか?

実は、

「ガソリン自体の価格」+「揮発油税」+「地方揮発油税」+「石油石炭税」+「地球温暖化対策税」の合計かける10%で計算されます。

税金に税金がかかっとるやないかい!

そうなんです。税金に税金がかかっているのです。これがよく問題視されているガソリンの二重課税なのです。

 

二重課税とは?

二重課税とは、1つの課税対象に対して、同種の租税が2回以上課されている状態の事です。ですので、単純に2種類の税金が乗っているからと言って、二重課税にはならないということに注意が必要です。

また、たとえ二重課税となっていたとしても、その対処については立法政策上の問題のため、すぐにに違法とはならないのです。発見した瞬間に現行犯逮捕とはならないということです。

ガソリンの二重課税問題について、政府としては、消費税は消費者に納税義務があるが、その他は、事業者に納税義務があるため、二重課税ではないとのことです。ある種、インボイス制度の問題に近いかもしれませんね。

 

まとめ

レギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油、灯油のそれぞれ1L当たりの税金はこちらです。

  ハイオク レギュラー 軽油 灯油
揮発油税 24.3円 24.3円
揮発油税(上乗せ) 24.3円 24.3円
地方揮発油税 4.4円 4.4円
地方揮発油税(上乗せ) 0.8円 0.8円
軽油取引税 15円
軽油取引税(上乗せ) 17.1円
石油石炭税 2.04円 2.04円 2.04円 2.04円
地球温暖化対策税 0.76円 0.76円 0.76円 0.76円
税合計 56.6円 56.6円 34.9円 2.8円
消費税 10% 10% 10% 10%

 

あとがき

いかがでしたでしょうか。スーパーで買い物をする時には消費税のみですが、ガソリンには消費税以外にも税金を支払っているのですね。

まあ、それを承知の上で車に乗ってるんでしょと言われたらそれまでなのですが…。

JAFが政府に対して何度も声明を発表していますが、一向に改善される様子はありません…。消費税に限らずですが、税率はどんどん上げていくのに、減税はなかなかしてくれません。もっと庶民に寄り添って欲しいものです。

政府はガソリンの補助金を2024年4月末まで適用すると発言しています。間もなくその期限になろうとしています。5月以降も継続するよう検討しているとの情報があり、続報に期待ですね。

最後までご覧くださいましてありがとうございました。