エクセルで数値を入力している時に、「イメージ通りに表示されてくれない(>_<)」と思ったことはありませんか?年月日の表示がイメージ通りにならなかったり、マイナスの数値が赤字かつカッコで囲まれてしまったり…。そういった場合に、表示形式をユーザーが定義(指示)してあげることで、思い通りの表示をさせることができます。
今回は、どのように定義してあげれば思い通りに表示させられるかを一覧で分かりやすくまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
Excelにおける表示形式の変更方法
書式設定から表示形式を設定する方法
① [セルの書式設定]ダイアログボックスを表示させる(3パターンあります)
①-1 [ホーム]タブ → [セルの書式設定]起動ツールをクリック
①-2 [ホーム]タブ → [数値の書式]ボックス右側のリストタブをクリック → [その他の表示形式]をクリック
①-3 セルを右クリック → [セルの書式設定]をクリック
② [セルの書式設定]ダイアログボックスの[ユーザー定義]の[種類]の入力欄を消して、新たに設定する
TEXT関数で表示形式を設定する方法
TEXT関数とは、数値を書式設定した文字列に変換するエクセル関数です。具体的には、下記のように入力し、「値」と「表示形式記号」の2つの引数を指定します
=TEXT(値,"表示形式記号")
値:変換したい数値
表示形式記号:指定された値に適用する書式を定義するための記号
ただし、TEXT関数は先に挙げた方法よりもできることは限られますので、どちらでもよいという方は、先に挙げたセルの書式設定から指定しましょう。条件によって表示形式を柔軟に変更したいなど、TEXT関数の方が融通が利きやすいという場合もありますので、求める結果に合わせて使い分けましょう。
※TEXT関数で、数値・年月日・時間の表示形式を指定する場合はダブルクォーテーション("")で挟む必要があります。
※TEXT関数では、数値・年月日・時間以外の書式を設定することはできません。そのため、色・文字列・スペース・条件付きなどの設定をしたい場合は、TEXT関数ではなく書式設定から指定してください。
本記事では、この「表示形式記号」に何を入力すればいいの?というところを説明していきます。
表示形式記号一覧
表示形式記号(書式記号)の説明に入る前に、表示形式の書式について説明します。
ユーザー定義の表示形式は、1つの表示形式で最大4つの書式を作成することができます。具体的には「正の数の書式」「負の数の書式」「ゼロの書式」「文字列の書式」の4つで、左から順に指定していきますが、すべて書く必要はありません。4つではなく1つだけ指定した場合でも、正の数だけに適用されるのではなく、負の数にも適用されます。これらをセミコロン(;)で区切って指示します。
正の数の書式;負の数の書式;ゼロの書式;文字列の書式
例えば、正の数は黒色で表示し、負の数は赤色かつ先頭に▲マークを付けたいと言った場合などに、複数指定する必要が出てきます。
数値の書式記号
記号 | 説明 | 入力例 | 数値 | 結果 |
---|---|---|---|---|
# | 数字1桁を意味する。 0(ゼロ)は表示しない。 |
#,### | 46327 | 46,327 |
3742 | 3,742 | |||
863 | 863 | |||
0 | ||||
7.54 | 8 | |||
0 | 数字1桁を意味する。 指定した桁数の0(ゼロ)が表示される。 |
0,000 | 17549 | 17,549 |
5485 | 5,485 | |||
41 | 0,041 | |||
0 | 0,000 | |||
4.98 | 0,005 | |||
#,##0.00 | 3554 | 3,554.00 | ||
0 | 0.00 | |||
0.3412 | 0.34 | |||
? | スペースで小数点の位置を揃える。 (固定幅フォントの場合) |
??0.??? | 0.2436 | 0.244 |
0.13 | 0.13 | |||
4.5 | 4.5 |
※整数部の桁数が指定した書式記号の桁数を越える場合、整数部の全ての数値が表示されます。
※小数点以下の桁数が指定した書式記号の桁数を越える場合、指定した桁数に合わせて四捨五入されます。
固定幅フォント(等幅フォント)とは、1文字の幅が全て同じフォントのことです。例えば、「MSゴシック」「MS明朝」などがこれに当たります。
逆に、1文字1文字の幅がそれぞれ異なる文字を可変幅フォント(プロポーショナルフォント)といいます。例えば、「Century」「Times New Roman」「Arial」「MS Pゴシック」「Meiryo UI」などがこれに当たります。
桁区切りの書式記号
数値の書式記号の説明で特に何も言わずに使っていましたが、数値の桁を区切るには「カンマ(,)」を使用します。みなさんもご存知の通り、一般的に1000単位(3桁毎)でカンマを使い区切りますが、エクセルでは指定しない限りカンマで区切られずに数字が続きます。そのため、上の表で出てきたように、「#,##0」このようにしてここにカンマを打ってくださいと指定する必要があるのです。
また、会社などで金額を表記する際に、「○○千円」や「○○百万円」といった書き方をすることがあるかと思います。これは、ちょうどカンマのところで区切って短縮させているわけですが、エクセルでは、表示形式を指定する際に数字の末尾にカンマを打つことで、同様の表記にすることができます。
また、カンマの数で「○○千円」や「○○百万円」を指定できます。「#,##0,」このようにカンマが1つであれば、整数部の下3桁が省略され、千から表示されます。「#,##0,,」このようにカンマが2つであれば、整数部の下6桁が省略され、百万から表示されます。
年月日の書式記号
分類 | 記号 | 説明 | 結果 |
---|---|---|---|
年 | yy | 西暦の下2桁を表示する。 | 23 |
yyyy | 西暦を4桁で表示する。 | 2023 | |
e | 和暦の年数を表示する。 | 5 | |
ee | 和暦の年数を表示する。 1桁の年数は0を付けて2桁で表示する。 |
05 | |
g | 和暦の元号をアルファベット1文字で表示する。 | R | |
gg | 和暦の元号を漢字1文字で表示する。 | 令 | |
ggg | 和暦の元号を漢字で表示する。 | 令和 | |
月 | m | 月を表示する。 | 1 |
mm | 月を表示する。 1桁の月は0を付けて2桁で表示する。 |
01 | |
mmm | 月を英語の頭文字3文字で表示する。 | Jan | |
mmmm | 月を英語で表示する。 | January | |
mmmmm | 月を英語の頭文字1文字で表示する。 | J | |
日 | d | 日にちを表示する。 | 5 |
dd | 日にちを表示する。 1桁の日にちは0を付けて2桁で表示する。 |
05 | |
曜日 | ddd | 曜日を英語の頭文字3文字で表示する。 | Thu |
dddd | 曜日を英語で表示する。 | Thursday | |
aaa | 曜日を漢字の頭文字1文字で表示する。 | 木 | |
aaaa | 曜日を漢字で表示する。 | 木曜日 |
時間・時刻の書式記号
分類 | 記号 | 説明 | 結果 |
---|---|---|---|
時間 | h | 時刻(0~23)を表示する。(24時制) | 8 |
hh | 時刻(00~23)を表示する。(24時制) 1桁の時刻は0を付けて2桁で表示する。 |
08 | |
m | 分(0~59)を表示する。 | 9 | |
mm | 分(00~59)を表示する。 1桁の分は0を付けて2桁で表示する。 |
09 | |
s | 秒(0~59)を表示する。 | 3 | |
ss | 秒(00~59)を表示する。 1桁の秒は0を付けて2桁で表示する。 |
03 | |
午前/午後 | h AM/PM | 12時間表記で時間の後にAM/PMを表示する。 | 8 AM |
am/pm h:mm | 12時間表記で時間の前にam/pmを表示する。 | am 8:09 | |
hh:mm:ss A/P | 12時間表記で時間の後にA/Pを表示する。 | 08:09:03 A | |
a/p h:mm | 12時間表記で時間の前にa/pを表示する。 | a 8:09 | |
時間経過 | [h]:mm | 24時間を超える時間の合計を表示する。 | 46:32 |
[mm]:ss | 60分を超える分の合計を表示する。 | 234:12 | |
[ss] | 60秒を超える秒の合計を表示する。 | 3600 |
※分を表す「m」「mm」は、「h」「hh」の直後、または、「s」「ss」の直前に入力しなければ、分を指示する書式記号として認識されません。「m」「mm」を単体で入力した場合、分ではなく月として認識されます。
※午前/午後の記号を時刻と組み合わせることで、時刻は12時間表記で表示されます。また、「AM/PM」の大文字・小文字や、時刻との間のスペースも指定した通りに表示されます。
色の書式記号
記号 | 説明 | 結果 |
---|---|---|
[黒] | 文字色を黒色で表示する。 | ハロー |
[白] | 文字色を白色で表示する。 | ハロー |
[赤] | 文字色を赤色で表示する。 | ハロー |
[青] | 文字色を青色で表示する。 | ハロー |
[黄] | 文字色を黄色で表示する。 | ハロー |
[緑] | 文字色を緑色で表示する。 | ハロー |
[紫] | 文字色を紫色で表示する。 | ハロー |
[水] | 文字色を水色で表示する。 | ハロー |
※TEXT関数では色の書式記号(表示形式記号)を使用できません。そのため、色の指定をしたい場合は書式設定から指定してください。
文字列やスペースの書式記号
初めの方で説明した通り、文字列の書式は最後に指定します。
正の数の書式;負の数の書式;ゼロの書式;文字列の書式
記号 | 説明 |
"" | 表示したい文字列をダブルクォーテーションで囲む。 |
@ | アットマーク(@)で入力した文字列の表示場所を指定する。 ※文字列の書式では必須の記号です。この記号を記載し忘れると、文字列の書式は適用されません。 |
* | アスタリスク(*)の後ろの記号などの文字列がセル幅いっぱいに表示される。 |
参考例
記号単体で説明するだけでは理解するのがなかなか難しい内容ですので、参考にいくつか用意しました。
数字を百万から表示
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
#,##0,, | 2347539857 | 2,348 |
53782854 | 54 | |
648478 | 1 |
元号から日付標記+曜日を表示
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
ggge"年"m"月"d"日" (aaa) | 2022/12/25 | 令和4年12月25日 (日) |
2017/8/16 | 平成29年8月16日 (水) | |
1974/6/9 | 昭和49年6月9日 (日) | |
1921/2/3 | 大正10年2月3日 (木) | |
1902/1/25 | 明治35年1月25日 (土) |
西暦から日付+曜日を英語表記
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
yyyy-mmm-d (ddd) | 2012/12/5 | 2012-Dec-5 (Wed) |
2019/8/16 | 2019-Aug-16 (Fri) | |
1974/3/31 | 1974-Mar-31 (Sun) |
西暦から日付+時間(AM/PM)を表示
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
yyyy-mm-dd h:mm AM/PM | 2023/6/16 15:43 | 2023-06-16 3:43 PM |
2018/3/9 9:15 | 2018-03-09 9:15 AM |
マイナスの数値を赤文字+▲で表示
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
#,##0;[赤]▲#,##0 | 5832 | 5,832 |
-7658 | ▲7,658 | |
2965734 | 2,965,734 |
名前の後ろに「様」を表示
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
@ "様" | 田中 | 田中 様 |
数値が0(ゼロ)のときセル幅いっぱいにハイフン(-)を表示
書式記号 | 数値 | 出力結果 |
---|---|---|
#,##0;-#,##0; *- | 2575 | 2,575 |
-7620 | -7,620 | |
0 | ----------------------- |