陸上部の短距離専門の方であれば、「クレアチン」という言葉を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?なんとなく「クレアチンを摂取すると瞬発力が上がる」という認識で飲んでいる方が多いかと思います。
今回は、クレアチンを摂取すると瞬発力は本当に上がるのか?について解説していきます。
陸上部の短距離選手向けではありますが、野球やサッカーなどの瞬間的にスピードを出すスポーツにも当てはまる内容ですので、ぜひ参考にしてみてください。
クレアチンてなに?
クレアチンとは、アミノ酸の一種で、体内で合成され、大部分がクレアチンリン酸として筋肉に存在しています。クレアチンリン酸は、筋肉が収縮する際にエネルギーとなるATP(Adenosine Tri-Phosphate:アデノシン3リン酸)の生成に利用されます。
これを聞いただけではなかなか理解が難しいかもしれません。さらに噛み砕いて説明すると、クレアチンは体内では「クレアチンリン酸」として筋肉に貯蔵されています。筋肉に貯蔵されたクレアチンリン酸は、筋肉を動かすためのエネルギー源であるATPを作るのに利用されています。
クレアチンで瞬発力は上がるの?
巷(ちまた)では、「クレアチンを摂取すると瞬発力が上がる」と言われていますが、実際のところはどうなのでしょうか?からだの中の仕組みの説明も交えながら説明していきます。
先ほど、「クレアチンリン酸は、筋肉を動かすためのエネルギー源であるATPを作るのに利用されている」と言いました。実は、このクレアチンリン酸を用いた方法以外にもATPを生成する方法が2つあります。そして、それぞれ原料となる物質やプロセスが異なっています。
また、ATPは筋肉を動かすためのエネルギーですので、ATPが無くなってしまえば、筋肉は収縮できなくなります。
クレアチンリン酸を用いた方法だけを抜粋して説明すると、この方法は他のどの方法よりも早くATP(筋肉を動かすためのエネルギー)をつくることができます。つまり、クレアチンリン酸を用いた方法では、筋肉をたくさん動かしてATPを消費しても、枯渇する前にすばやくATPを作り出すことができるのです。
ところが、クレアチンリン酸を貯蔵できる量には限りがあるため、クレアチンリン酸を用いた方法では、せいぜい8秒程度しかATPを生成することができないのです。ですが、クレアチンを日々摂取し続けていくことで、クレアチンリン酸をより多く蓄えることができるようになります。これが、クレアチンを摂取する目的なのです。
つまり、クレアチンは瞬発力を上げるためのものでは無く、全力で筋肉を動かせる持続時間を延長させる働きがあるのです。
このように、からだの仕組みを見ていくと、なぜそうなるのかが見えてきますね。
筋肉を動かしているエネルギーのおはなし
ATP(筋肉を動かすためのエネルギー)を生成する方法はクレアチンリン酸以外にもう2つあると言いました。
具体的には、以下の3つの方法でATPを生成しています。
・ATP-CP系:瞬発系(ハイパワー)8秒程度
・解糖系(乳酸系):筋持久系(ミドルパワー)30~60秒程度
・有酸素系:持久系(エンデュランス)継続的に供給
これらを車のアクセルで例えるなら、
・ATP-CP系:アクセル全開
・解糖系(乳酸系):アクセル半開
・有酸素系:アイドリング
といった感じでしょうか。
つまり、クレアチンを飲むことで、アクセル全開を維持できる時間が長くなるということです。
筋肉を動かすためのエネルギーのおはなしは、こちらでさらに詳しく説明していますので、気になった方はぜひ見てみてください。
クレアチンの副作用はあるの?
クレアチンを摂取し過ぎると、下記のような副作用が起こる場合があります
・下痢
・頻尿
・脱水症状
・足がつりやすくなる
これらは、他のサプリメントでも共通して起きる副作用だったりします。パッケージに記載してある容量・用法を守って、うまく活用していきましょう。
ちなみに、「脱水症状」と「足がつる」のは、隣り合わせだったりします。足がつる要因の1つに「水分不足」がありますので、水分はしっかり摂りましょう。
クレアチンはどこで入手できるの?
主に、下記のような入手方法があります。
※チームメイトから貰ってばかりいると嫌われますので、注意しましょう。
現役時代に私が使っていたクレアチンを載せておきますので、「どれを買ったらいいか分からない(*_*)」という方は、参考にしてみてください。
あとがき
いかがでしたでしょうか。
現役時代、クレアチンは「瞬発力が上がる」とか「速くなる」とか言って飲んでいましたが、間違えた認識で飲んでいたようです(^^;) ただ、効果はあったのではないかと思います。
私自身、短距離の中でも特に200mを専門としていまして、後半に強いタイプでしたので、私にとってクレアチンは特に重要な役割を果たしてくれていたんじゃないかなと今になって思います。
みなさんはぜひ正しい知識を持って、必要だと思うサプリメントを摂取しましょう。ただし、必ずしもサプリメントを摂らなければいけないわけではありません。基本的には、バランスのとれた食事をするだけで問題無いと言われています。
ぜひケガには気を付けて、楽しくスポーツをしましょう。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。