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400mの後半で足が上がらなくなってもできるだけ減速せずに走り切る方法【陸上部短距離向け】

 

陸上で短距離を専門にしている人であれば、誰しも400mを走った(走らされた)ことがあると思います。これから400mを初めて走るからこのページを見つけたという方も中にはいるかもしれません。

 

400mは非常に過酷(かこく)な種目です。そこで今回は、400mを最後まで走り切るコツを紹介したいと思います。

 

あらかじめ言っておきますが、400mを楽に走り切る方法はありません。ここで紹介する方法は、400mの終盤でいかに減速せずに走り切るかというものです。実はこの内容は超重要で、インターハイやオリンピックに出場する選手が意識的に行っていることでもあります。無料で公開するのも惜しいくらいですが、ぜひこの記事を読んで「400mを走り切るコツがつかめた!」と言う方は、コメントやお問い合わせフォームから感想を頂けると嬉しいです。

 

400mを本当に走りたくない方は、顧問の先生に懇願(こんがん)しましょう。

 

 

 

そもそも400mって短距離?長距離?

「400mってけっこう辛そうだから長距離なんじゃないの?」と思われる方もいるかもしれません。陸上競技になじみのない方は知らなくて当たり前のことですが、400mは「短距離」なのです。

 

詳しく説明すると、陸上競技の走る種目は、「短距離」「中距離」「長距離」の3種類に分けられます。

 

それぞれの長さは下の通りです。

✓短距離:400m以下(Ex. 100m、200m、400m)

✓中距離:3000m未満(Ex. 800m、1500m)

✓長距離:3000m以上(Ex. 3000m、5000m、10000m)

 

これは、ルールで決まっているわけではありません。陸上選手の間で言い伝えられている感じですが、実は辞書に載っている内容なのです。

 

 

400mの終盤でタレない走り方

400mの終盤は誰しも失速してしまいます。なんなら、私は200mを過ぎたあたりから失速し始めてしまいます。

 

では、どのようにすれば失速を少なくすることができるのでしょうか?

 

その方法とは、「かかとをお尻に引き付けるように走る」ということを意識して走ることで、失速を最小限に抑えることができます。「そんなことで?」と思いますよね。後ほど詳しく説明していきます。

 

 

短距離の後半に必要なのは、いかにして「ブレーキをかけない走り」をするか

「かかとをお尻に引き付けるように走る」だけで?と言う疑問はいったん置いておいて、先にこちらを説明させてください。

 

100mでも200mでも400mでも言えることですが、人間、加速し続けるのには限界があります。たとえ100mでも、ほとんどの人は最後まで加速し続けていません。どうやって走っているかと言うと、「いかにブレーキをかけずに走るか」ということをやっているのです。

 

このことに気付いていない人は、最後まで一生懸命加速しようともがいているかと思います。速い人はこのことを理解して走っていますし、そのためのトレーニングも意識的に行っています。

 

では、「いかにブレーキをかけずに走るか」とはいったいどういう走り方を意味しているのでしょうか?

 

それは、
しっかりと太ももを上げる走り方
です。

 

走り終わった後のブレーキをする時に、どんな足の使い方をしているか想像してみてください。走っている時は一生懸命足を上げていましたが、ブレーキをかけている時は、足はそこまで上げず、少し前に足を接地して、突っ張っているイメージですよね。太ももをしっかり上げずに走ると、突っ張ろうと意識しなくてもブレーキがかかってしまうのです

 

なぜなら、太ももをしっかり上げなければ、足の動きが地面の速さについていけずに、前に進む力の妨げ(さまたげ)になってしまうからなのです。

 

 

 

なぜその方法で失速を抑えることができるの?

400mを走ったことがある方は分かると思いますが、400mの終盤は太ももが上がらなくなりますし、足全体がガチガチで、素早く動かすこともできませんよね。そこで、「かかとをお尻に引き付けるように走るというのが有効なのです。

 

筋肉というのは、動かす燃料(エネルギー)が無くなると筋肉を収縮させることができなくなるのです。これが、足がガチガチになるという感覚です。ですが、使っていない筋肉は燃料を消費していないので、まだ動かせます。そこで、走る時に使っていなかった「膝を折りたたむ」ための筋肉を利用します

 

足を動かすための筋肉にかかる力(ちから)はトルクです。トルクと言うのは、「回転軸のまわりの、力のモーメント」で、「力」×「長」さの関係があります。

 

例えば、先端におもりが付いている刀(かたな)と、手元におもりが付いている刀があるとします。先端におもりが付いている刀は、振り回すのが大変です。ところが、同じ重さのおもりなのに、手元におもりが付いている刀の方が、振り回しやすいのです。

 

これを足に置き換えて考えてみましょう。

足をピーンと延ばした状態で前後にスイングさせるのと、膝を曲げて前後にスイングさせるのでは、軽さがぜんぜん違います。なぜこのようになるかと言うと、足の付け根から重心までの距離が変化しているからです。膝を曲げて折り畳むことで、足の付け根から重心までの距離を短くしています

 

つまりは、「400mの終盤で足が重くて太ももが上げられずにどんどん失速してしまう」という時に「かかとをお尻に引き付けるように走る」ことで、燃料が少なくなった筋肉でも、軽いものならまだ動かすことができるのです

 

筋肉のエネルギーの話はこちらで紹介していますので、「筋肉って何を燃料にして動いているの?」といったことが気になって眠れなくなってしまったという方は、ぜひ参考に見てみてください。

 

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失速を抑えるにはどんなトレーニングが有効なの?

「失速を抑える」⇒「太ももを上げる」ために必要なトレーニングを、私の経験をもとに紹介します。

 

 

 

そもそも、太ももはどこの筋肉で持ち上げているかみなさんご存知でしょうか?

正解は、「腸腰筋(ちょうようきん)」です。

他にも、立ち姿勢を整える働きもあります。

 

参考:腸腰筋の作用と役割(起始停止・神経支配・筋トレメニューなどを徹底解剖)

 

腸腰筋(iliopsoas muscle)は、大腰筋・小腰筋・腸骨筋の3つの筋肉をまとめた総称のことで、主に股関節の屈曲動作に関与する筋肉です。

 

短距離選手やサッカー選手のような、短距離を全力で走るようなスポーツにとって超重要な筋肉です。ちなみに、通常では触っても腸腰筋がどこにあるかは分かり辛いですが、腸腰筋が発達しているとちからを入れなくてもポコッと力こぶのように膨らんでいます。私も現役時代はポコッとなっていました。

 

運動会の徒競走などでお父さんが走って足がもつれてヘッドスライディングをしてしまうのは、この腸腰筋が不足しているせいで足が上がらなくなり、ズッコケてしまうのです…(^^;)。なので、「息子の運動会で走るからカッコイイところを見せたい!」というお父さまは、ぜひ腸腰筋を鍛えてください!腸腰筋を鍛えるだけでも、足がすんなりと上がるようになるので、気持ちよく走れます。

 

前置きが長くなりましたが、トレーニング方法を紹介していきます。下記のような方法で腸腰筋を鍛えることができます。

 

 

 

静的なもも上げ

一般的に「もも上げ」と言うと、走るようなリズムで勢いよくももを上げますが、静的なもも上げは全くの別物です。静的なもも上げは、壁や柱に片手で軽くつかまり、片足を上げて、上げた足を上下に動かすことで、腸腰筋をピンポイントに鍛えます。どこでも簡単に行えますが、ピンポイントに腸腰筋を狙えるので、何回も行うことで、かなり負荷をかけることができます

 

手順

①壁や柱に片手で軽くつかまる

②片足立ちになり、もう一方の足は上げる(太ももが地面と水平より少し上)

腸腰筋を意識して上げた足を上下させる

 

 

 

注意!

・姿勢は崩さず、しかりと背筋を伸ばす(腰を入れる)

・足を上げた時、地面に付いている足は地面から反動をもらっていることを意識する

・つま先は下げない

 

この静的なもも上げには、方法が2パターンあります。

①太ももを上下に大きく振る方法(1往復/秒くらい)
②太ももを地面と平行になるくらいまで上げて、小刻みに上下させる方法(2往復/秒くらい)

 

参考までに、私は、「①を50回⇒②を50回⇒①を50回」これを1セットとして、左右で各3~5セット行っていました。

 

 

椅子に座ったままできるもも上げ

「椅子に座ったままできるもも上げってなんぞや?」「効かないだろ」と思いますよね。これが意外と効くんです。

 

できれば先ほど紹介しました「静的なもも上げ」を行う方が良いです。その方が、実際の身体の動かし方に近く、姿勢をつくりやすいです。「授業中にこっそり鍛えたい」という方はこちらの方法で鍛えましょう

 

手順

①椅子に姿勢よく座る

②鍛えたい側の太ももを上げる(太ももが地面と水平より少し上)

腸腰筋を意識して上げた足を上下させる

 

 

 

注意!

・姿勢は崩さず、しかりと背筋を伸ばす(猫背はダメ)

・つま先は下げない

・授業中は先生にバレないように

 

太ももを上下させるリズムはお好みで大丈夫です。ちなみにですが、筋トレは「ゆっくりやる方がキツい」です

 

 

 

筋トレの極意(ごくい)

腸腰筋のトレーニングとして「レッグレイズ」「ハンギングレッグレイズ」「スクワット」などをピックアップしている方が非常に多いですね…。このトレーニングで腸腰筋が鍛えられないとまでは言いませんが、「レッグレイズ」は腹筋がメインですし、スクワットは太ももがメインです。

 

これらの方法で腸腰筋を鍛えようとすると、腸腰筋に効いてくる前に、腹筋や太ももの筋肉が疲労してしまい、けっきょく腸腰筋がまったく鍛えられなかったということになりかねません

 

一方で、私が紹介した「静的なもも上げ」や「椅子に座ったままもも上げ」は、ピンポイントで腸腰筋を鍛えることができます

 

レーニングとは、「いかにして効率的に狙った場所を鍛えることができるかが超重要です。間違えたトレーニングや姿勢が正しくないと、欲しい筋肉がぜんぜんつかなかったり、最悪の場合はケガで日常生活にまで支障をきたすこともあります。

 

 

 

あとがき

いかがでしたでしょうか。腸腰筋の重要性を理解していただけましたでしょうか?

 

今回紹介した内容は超極秘テクニックですので、自分の部屋などでこっそりトレーニングして、チームメイトと差をつけましょう!また、ケガには十分注意してください。

 

 

最後までご覧くださいましてありがとうございました。