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日本は100Vなのに海外はなぜ電圧が高いの?

日本の家庭の電圧は100Vで、海外は220Vとは240Vとかって聞くと、「日本は負けてるんじゃないの?」と思いませんか?そこで今回は、日本がなぜ100Vになっているのか、海外は電圧が高いから危険なのでは?といった内容をご説明します。

 

世界各国の電圧

まずは、世界各国の電圧を見てみましょう。

電圧
日本 100V(200V)
韓国 110V(220V)
台湾 110V(220V)
中国 220V
フィリピン 220V
タイ 220V
シンガポール 230V
インド 240V
インドネシア 220V
アメリ 115V(230V)
カナダ 120V(347V)
ブラジル 127V
グアム 120V
オーストラリア 240V
ニュージーランド 230V
フランス 230V
イギリス 120V
イタリア 220V
ドイツ 230V
デンマーク 230V
フィンランド 230V
オランダ 230V
ポルトガル 230V
スペイン 127V(220V)
スウェーデン 230V(400V)
スイス 230V
ロシア 127V(220V)

世界を見ると、日本は電圧が最も低い国です。こう見ると、なんだか日本が劣っているように見えますね・・・。

 

なぜ日本は100Vなの?

蓮舫さんの件で一躍有名となった、スーパーコンピュータ世界1位になるために巨額の投資をする問題を見ると、負けず嫌いな面がうかがえるのですが、なぜ日本の電圧は世界での最低ランクなのでしょうか?

諸説ありますが、電圧を上げない一番の理由は、電圧が低い方が、もし感電した場合でも、人体への被害がより少ないからです。感電の被害の大きさを左右するのは電流と言われていますが、電圧が大きければ、体内に流れ込む電流がより多くなります。

例えば、家のコンセントで感電してしまったとします。その際に体内に流れる電流値はおよそ20mAです。(条件によって前後します。)20mAが体内を流れると、身動きがとれないほどの感覚を味わいますが、呼吸停止や心拍停止になるほどではありません。ですが、例えば220Vの国で感電した場合、2.2倍の約44mAの電流が流れます。44mAが体内を流れると、短時間流れただけでも、呼吸停止や心拍停止になる恐れがあります。

感電についてはこちらで詳しく説明していますので、ぜひ合わせてご確認ください。

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また、電圧を統一しようと動いていたのが大正時代(1914年頃)。ちょうどその頃に普及していた電球のほとんどが100Vであったため100Vで統一することとなったという説もあります。

 

海外はなぜ220Vや240Vなの?

では、海外はなぜ220Vや240Vなのでしょうか?実は、電化製品というのは、消費電力がキーとなるのです。電力は以下の式で計算できます。

電力の式

電力 [W] = 電圧 [V] × 電流 [A]

通常、日本の一般家庭のコンセントは100Vで、電流はブレーカー自体は20Aや30Aですが、コンセントの能力としては15Aほどです。つまり、上の式に当てはめて考えると、日本の一般家庭で使える電化製品の最大の電力はおよそ1500Wということになります。

反面、例えばイギリスは240Vですので、15Aだとすれば、3,600Wの電化製品を使用できるということです。

ですが、電気代は、消費電力量で決まります。つまり、使うワット数が多ければ多いほど、電気代が増えていきます。

こう考えると、100Vかつ15Aの縛りがある日本は、電気代が安く抑えられると考えることもできるのではないでしょうか。ですが、海外の方が超強力な暖房器具を使用できる能力があるとも言えますね。

電気代の計算についてはこちらで詳しく説明していますので、興味がある方は合わせてご覧ください。

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日本の一般家庭では100Vより大きな電圧は使えないの?

では、日本の一般家庭では100Vを超える電気は使用することができないのでしょうか?

あまり知られていませんが、実は、日本のだいたいの家庭は配電盤までは200Vの電気が来ており、18畳用のエアコンなどはそこだけ200Vのコンセントとなっています。コンセントの形状が顔みたいになっているので、見ればすぐに分かります。一般家庭だけど強力なオーブンレンジを設置したいなどの希望があれば、注文住宅なら好きに200Vのコンセントを設置できます。つまり、日本の一般家庭でも200Vに出来るポテンシャルはあるということです。

 

日本は電圧が低いから送電ロスが大きいの?

単純に、日本は100V(200V)で海外は220Vや240Vということは、「発電所から家まで送電するときの電力損失が大きいのでは?」と思う方もいるかもしれません。ですが、ここで話している内容は各家庭で使用できる電圧ですので、送電時の電線を流れる電圧はまた別の話になります。

発電所から各家庭や工場ヘは、数千ボルト~数十万ボルトで送電/配電しており、これはどこの国でも同じです。そのため、送電時の電力損失はどこの国も大して違いはありません。ただし、海外は都市の中に発電所がある場合が多いですが、日本は都市の中では無く、離れたところで発電して送電しますので、そういう意味では送電ロスが若干多いかもしれませんね。

送電についてはこちらで詳しく説明していますので、ぜひ合わせてご覧ください。

 

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まとめ

日本

・感電したときの被害が少ない
・およそ1,500Wまでの電化製品しか使えない
・消費電力が少ないぶん電気代は抑えられる
・家の配電盤まで200Vが来ているので、配線工事で200Vも使用可能

海外

・感電したときの被害が大きい
・およそ3,000W越えの電化製品も使える
・消費電力が多く電気代がかさむ

 

あとがき

いかがでしたでしょうか。日本の一般家庭の電圧が低いからと言って、他国に劣っているわけではないということが分かりましたね。電圧が低いぶん、ハイパワーな電化製品を使用するには手間がかかりますが、感電した際の人体への被害が少ないので、世界で最も安全な国と言ってもよいのではないでしょうか。

最後までご覧くださいましてありがとうございました。