みなさんは、200Vの電源(コンセント)に100V用の電化製品を繋げるとどうなるかご存知でしょうか?「危険なんじゃないの?」ということはなんとなくはイメージできると思います。では、実際にはどんな現象が起こるのでしょうか?
- 電流・電圧・電力について
- 200Vの電源に100V用の電化製品を繋ぐとどうなる?
- 100Vの電源に200V用の電化製品を繋ぐとどうなる?
- そうそう間違えることは無いです
- 100Vと200Vではどちらが感電の被害が大きいの?
- あとがき
電流・電圧・電力について
予備知識として、電流・電圧・電力についてご説明します。
電流とは1秒間に流れる電子の数で、電圧とは電子が流れる勢いのことです。電力とは、電流と電圧をかけたもので、電気が仕事をする力を表します。
電流と電圧を車で例えてみましょう。
道路を走る車の台数を電流、車の速度を電圧とします。電流が大きいということは、たくさんの車が走っている状態です。電圧が大きいということは、速いスピードで車が走っている状態です。
詳しくはこちらで説明していますので、合わせてご覧ください。
200Vの電源に100V用の電化製品を繋ぐとどうなる?
一般家庭で使われている電気は、基本的に100Vなので、100Vしか流れていないと思われがちですが、実は200Vも流れています。ですので、電気工事の方が誤って100Vにするはずが200Vに接続してしまうこともありえないことではないのです。
家庭のコンセントの裏側でどのように配線されて100Vと200Vが切り替えられているのか知りたい方は、こちらで詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
では、本題です。
200Vの電源(コンセント)に100V用の電化製品を接続してしまった場合、どのようなことが起きるのでしょうか?具体的には以下のような事が起こります。
・ブレーカーが落ちる
・ヒューズが飛ぶ
・電化製品が故障する
・火事になる
火事になると書いてはいますが、ほとんどの場合は、ブレーカーが落ちるかヒューズが飛ぶ程度でしょう。ただし、危険なことに変わりはありません。
100Vの電源に200V用の電化製品を繋ぐとどうなる?
逆に、100Vの電源(コンセント)に200V用の電化製品を接続してしまった場合、どのようなことが起きるのでしょうか?具体的には以下のような事が起こります。
・電化製品が動作しない
・最大限の性能を発揮できない
おおよそみなさんのイメージ通り、この場合は、電化製品が満足に動作しない程度で、火事などが起こる危険性はありません。
そうそう間違えることは無いです
基本的に、コンセントの穴の形状が違いますので、挿し間違えることはまずあり得ません。ちなみに、コンセントの形状はこのような感じです。
ですが、電気工事の方が間違えて接続してしまった場合、100V用のコンセントなのに200Vと繋がってしまうという可能性は限りなく低いですが、作業者も人間なのでゼロではないです。見た目が同じだった場合、私たち一般人が100Vか200Vかを確認するのは難しいです。ですので、コンセントに接続して異常を感じたら、アパート等であれば管理会社へ、戸建てであればハウスメーカーや専門業者へすぐに連絡しましょう。
100Vと200Vではどちらが感電の被害が大きいの?
少し脱線しますが、感電について少しお話します。
感電は、基本的には電圧では無く電流の大きさでその被害の大きさが左右されます。ですが、電圧がまったく関係ないわけではなく、電圧は流れる電流の大きさを左右します。オームの法則を覚えていますでしょうか?以下の式がオームの法則です。
電圧 [V] = 電流 [A] × 抵抗 [Ω]
電流を求める式に直すと、
電流 [A] = 電圧 [V] ÷ 抵抗 [Ω]
つまり、電圧が上がるか抵抗が下がることで、流れる電流が大きくなります。人体の抵抗はおおよそ決まっていますので、電圧が100Vから200Vになると、2倍の電流が流れることになります。ですので、200Vの電気に感電する可能性がある場合は、100Vのとき以上に注意する必要があるのです。
感電についてこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
あとがき
いかがでしたでしょうか。なかなか間違えることは少ないですが、こうすると危険ということは覚えておいて損はないかと思います。他にも電気に関する記事を書いていますので、ぜひそちらも合わせて読んでみてください。
最後までご覧くださいましてありがとうございました。